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理科教室

2022年8月号

科学教育研究協議会 編

特集:防災地学教育は知るところから

防災・減災につながる地学教育とは、気象・流水のはたらき・地形と地質・地震・火山などを科学的に理解し、現れる諸現象を予想し、備え、いざというときの行動ができるようにすることでしょう。
大雨が降れば流水のはたらきが大きくなります。そしてそれは河川経路と地形や地質の影響を受けます。洪水だけでなく土石流が発生する場合もあります。子どもは地域でどのような気象災害が想定されるか理解できるでしょうか。
日本沿岸部ではどこでも、海底が震源の場合は地震動の被害に加えて津波の被害が想定されます。子どもはそれが分かり、命を守る行動に結びつくでしょうか。
個性的な噴火でも予測できる場合があります。マグマが動くときに発生する火山性地震を追えばマグマの移動がわかります。2000年3月、北海道の有珠火山観測所はそのようにして噴火を予測し、洞爺湖町の全町民と観光客を避難させ、一人の犠牲者も出しませんでした。
このように活火山の観測網の整備と観測データを解析する研究者チームの体制づくりを進めれば、予測の可能性が高まります。住む地域に影響する火山ではどうでしょうか。
地域の各種災害を想定し、危険度を示すのがハザードマップです。ハザードマップを活用しながら地域教師が連携して防災のための地学教育を進めることで、減災につなげる行動ができる子どもを育てようではありませんか。
(「主張 防災地学教育は知るところから 科学的知識を身につけ 減災に通じる行動を」鈴木 邦夫(編集部)より抜粋)

CONTENTS 2022 8 August No.812 Vol.65 No.8
巻頭エッセイ 批判・異論が豊かに飛び交う授業を 木村 哲郎 表2
巻頭口絵 ようこそ、岡山県自然保護センターへ! 池本 茂豊 02
ここがポイント!理科の授業 
小学校4年 星の学習~先生もひとみを上げて~ 井本 彰 08
小学校5年 花と実 丸山 哲也 12
実践記録 中学校・高校 津波から命を守る意識を向上させる教育実践 
                        小野寺 弘幸・佐々木 さやか 16
特集 防災地学教育は知るところから
主張 科学的知識を身につけ減災に通じる行動を 鈴木 邦夫 20
1 東日本大震災に見る「防災地学」教育の重要さ 齋藤 徳美 21
2 防災・減災に向けて子どもたちが考え提案する授業 北林 雅洋 28
3 HOH理科サークルが考える防災教育 鍛治 裕之 34
4 岩手・青森の防災地学教育 高橋 匡之 40
5 地域に根づいた防災教育を─新潟県ではどう進めるか─ 
                     和澄 利男・北村 泰・池田 竣・渡邉 紗耶・村上 聡 48
6 中央沿線理科サークル座談会 地学の授業は地域の防災を意識して
              阿久津 嘉孝・掃部 条二・鷹取 健・久富 悠生・堀 雅敏・町田 智朗 54
7 理科教育がになう防災の視点〜科教協ヒロシマより〜 田中 新治 61
8 南海トラフ巨大地震に備える 觜本 格 66
9 南海トラフ地震に備える地学教育 上久保 廣信 72
理科教師日記 ストロー笛をつくって鳴らそう!! 高橋 匡之 78
視点 「メタバースの教育への活用」に異議あり 鈴木 健夫 83
行ってみよう科学探険 大阪科学技術館 松本 尚子 84
読者のひろば 86
理科サークル東西南北 88
科教協だより 永井 茂治 89
読書室『‌タコとイカはどうちがう?』 90
読書室『数学記号を読む辞典』 91
教育情報‌「教員免許更新制度廃止その後」
              小佐野 正樹 92
科学教育研究協議会全国研究大会・岡山大会ご案内3 94
次号予告・編集後記 96

情報ボックス 82

判型・頁数 B5判並製・96頁
定価 本体1000円(税込)
ISBN 978-4-7807-1576-7 C0340
出版年月日 2022年8月1日

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