日本の科学者
2023年10月号
日本科学者会議 編
コロナウイルスの感染が始まって急激に拡大していった初期の段階では,感染拡大がもたらす影響の実態把握と当面の対策に重点が置かれていたが,次第にポストコロナに向けた社会や経済を,どのように構築するかが重要な課題となってきた.
そこで本シンポジウムでは,ポストコロナを見据えて,まず初めに藤田安一(鳥取大学名誉教授)から「今こそ『国家の安全保障』から『人間の安全保障』への転換を」と題する基調講演があり,続いて以下の4 氏による個別報告が行われた.
保母武彦(島根大学名誉教授)「地域発展と自治体の役割―コロナ後の公共部門の再建を展望して―」,多田憲一郎(鳥取大学教授)「ポストコロナ時代の地域経済発展の展望―中国山地を事例として―」,阿部宏史(岡山大学名誉教授)「コロナ後の持続可能な都市づくりを考える」,小林 一(鳥取大学名誉教授)「ポストコロナにおける地域農業」
本誌での今回の特集は,以上の中国地区シンポジウムでの報告をもとに,それぞれ報告者が,改めて論文として執筆したものである.また,今回の特集には,医師の立場から,宮城の水戸部秀利氏(元宮城厚生協会理事長若林クリニック)に論文「ポストコロナの医療―社会システム転換と医療整備を」を執筆いただいた.水戸部先生に感謝申し上げたい.
(ふじた・やすかず:鳥取大学名誉教授,財政学)
特集:ポストコロナの社会と地域を考える
読者の声 02
まえがき 藤田安一 03
言葉の玉手箱 藤巻晴行 04
今こそ「国家の安全保障」から「人間の安全保障」への転換を 藤田安一 05
地域発展と自治体の役割 保母武彦 11
ポストコロナ時代の地域経済発展の展望
─中国山地を事例として 多田憲一郎 16
新型コロナウイルス感染症危機後の持続可能な都市コミュニティづくりを考える 阿部宏史 23
ポストコロナにおける地域農業 小林一 30
ポストコロナの医療
─社会システム転換と医療整備を 水戸部秀利 36
【コラム】
mRNAワクチンの有効性 水戸部秀利 41
【談話室】
ポリーヌに魅せられて
─社会システム転換と医療整備を 小林 緑 42
【レビュー】
2022 年大学設置基準の批判的検討
─教員配置基準を中心に 中嶋哲彦 44
【ひろば】
学術の国策化をねらう日本学術会議法「改正」問題の経緯 兵藤友博 51
経済同友会の提言にみる財界の葛藤と精力的な取組 野村康秀 53
〈科学者つうしん〉 54
〈編集後記〉(唐澤克樹) 56
判型・頁数 | B5判並製・56ページ |
定価 | 本体800円(税込) |
ISBN | 978-4-7807-2083-9 C0336 |
出版年月日 | 2023年10月1日 |
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