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日本の科学者

2023年6月号

日本科学者会議 編

特集:教育の自由,学ぶ権利を取り戻す

不登校やいじめを「問題行動」と言うようになって久しいが,子どもの「問題行動」ではなく,「学校の問題を表した行動」である.
学校スタンダードを各学校で制定し,特色ある学校づくりを目指し,学校長のリーダーシップのもとに,教職員は教育活動におけるさまざまな目標達成を目指し,実践をすることが求められている.その達成度や内容,さらには自治体が示した努力目標を達成ができたのかを点検,検証し第三者に公表をすることが求められている.
画一的な指導の中,わからないと訴える子や指導法が合わない子は支援学級,支援学校,不登校へと教室の外に出ていかざるを得ない.その弊害を本特集は問う.
本特集は大阪,堺の事例を取り上げたが,いずれも全国に共通する課題である.子どもが変わったと言われて久しい.しかし,変わったのは学校なのである.教育の自由の問題でもある.もの言えぬ教員・子どもを育ててしまう仕組みは,社会にも大きな損失をもたらすことを強調したい.
(「まえがき」より抜粋)

 

まえがき 近藤真理子 2
言葉の玉手箱 中嶋哲彦・井前弘幸・五島丸太 3
教育基本法「改正」の認識論と解釈論─民主教育のための戦略 中嶋哲彦 4
地方教育行政にかかわる行政権の強化は,学習・教育になにをもたらすのか 西田喜一 10
大阪から始まる公教育の破壊と闘うために─大阪市の義務教育の現状から 井前弘幸 15
堺市の教育行政基本条例否決の取り組みから今日へ 住友 剛 22
 授業スタンダードと不登校 ─「協働的な学び」と「個別最適な学び」のバランス 奥田雅史 28
 言葉を綴る教室の実践から
 ─綴られた言葉の奥にある子どもの声なき声を掬い上げる 勝村謙司 30
学校教育法を見直し,特別支援学校の在り方を考察する
─法に反することはしてはならないが,法を超えることは良き未来をつくる 五島丸太 32

〈談話室〉
「行動する人々」を描き続けて 若松倫夫 38
〈クローズアップ〉
気候危機と人権
─気候危機を回避するための挑戦
浅岡美恵 40
〈ひろば〉
神戸地裁,神戸製鋼石炭火力発電所建設稼動差し止めを棄却 編集委員会 49
主体性と想像力を育む居場所─大阪暁光高等学校平和ゼミナールの活動 近藤真理子 51
フランスのセクト規制 中島 宏 54
〈本〉
子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会 編
『大阪教育研通信Ⅱ 新自由主義教育の実験場と化した大阪市の義務教育
─大阪から始まる公教育の破壊と闘うために─』 木下行就 58
畑 明郎 著
『危険! 建設残土─土砂条例と法規制を求めて』 河上 茂 59
〈読者の声〉 60
〈科学者つうしん〉 61
〈編集後記〉(西田喜一) 64
判型・頁数 B5判並製・64ページ
定価 本体800円(税込)
ISBN 978-4-7807-2079-2 C0336
出版年月日 2023年6月1日

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