日本の科学者
2023年2月号
日本科学者会議 編
今日,プラスチックは生活のあらゆる場面に利用され,プラスチックを生活からことごとく排除してゆくことはもはや容易でないばかりか,その消費は拡大し続けている.エネルギー資源としての化石燃料は,太陽光や風力などにすべて置き換えることが可能であるが,材料の場合には個別に代替物,代替法を捜さねばならない.エネルギーの脱炭素化のような一様なスキームでは進まないところにプラスチック問題解決の更なる困難がある.こうしたプラスチック問題に,科学者はいかに向き合い取り組むかを考える材料を提供することが本特集の狙いである.(まえがき:「使用後に有害物になるプラスチックをどうするか」(長野晃)より)
特集 プラスチック問題を考える
まえがき 長野 晃 02
言葉の玉手箱 長野 晃,吉田 央 03
【インタビュー】プラスチックリサイクルを展望する 中村真悟,聞き手:長野八久 04
【資料】廃プラリサイクル法(2022 年4 月1 日施行)の概要(環境省) 11
【資料】主なプラスチックの特性と用途(日本プラスチック工業連盟) 12
容器包装リサイクル法でのPET ボトルリサイクルの発展 吉田 央 13
プラスチックによる生体影響と予防的対策 高田秀重 20
寝屋川廃プラスチック処理工場周辺の疫学調査結果
──環境公害問題における公的機関の機能不全 津田敏秀,頼藤貴志 26
【コラム】寝屋川廃プラリサイクル公害の概要 長野 晃 31
寝屋川廃プラスチック処理施設から発生した大気汚染物質による健康被害の実態
──リサイクル=エコロジーがもたらす公害 眞鍋 穰 33
【コラム】寝屋川廃プラスチック処理施設からの排気による周辺の大気汚染 西川榮一 38
【談話室】
カンボジアでの開発コンサルタントの仕事
─地方行政の女性管理職が抱える課題 中川香須美 40
【レビュー】
廃プラスチックリサイクル処理施設から排出される揮発性有機化合物による大気中ホルムアルデヒドの発生について 水越厚史 42
【ひろば】
ウクライナの食文化から平和を考える
─チキンキーウ(キエフ)鈴鹿風とモルコヴニツェ鈴鹿風 中川七海,古田佳奈子,清田雄治 47
【本】
廃プラ処理による公害から健康と環境を守る会 編
『廃プラ・リサイクル公害とのたたかい ─大阪・寝屋川からの報告』 後藤誠司 51
〈読者の声〉 52
〈科学者つうしん〉 53
〈編集後記〉(吉田 央) 56
判型・頁数 | B5判並製・56ページ |
定価 | 本体800円(税込) |
ISBN | 978-4-7807-2075-4 C0336 |
出版年月日 | 2023年2月1日 |
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