日本の科学者

2022年10月号

日本科学者会議 編

特集:大規模災害時代の農林業

地球温暖化の進行に伴い,日本でも大規模水害が頻発するようになってきた.今後は,森林火災の頻発化や大規模化も懸念される.洪水防止や地下水涵養,炭素吸収などの多面的機能を担ってきた日本の農林業にも,その機能の維持と強化が期待されている.一方で中山間地域の人口減少と高齢化や市場開放は農林業の持続的発展を困難にしている.これらの困難をいかに乗り越え,大規模災害時代に農林業をどのように発展させ,多面的機能を維持・強化するかについて,各分野で活躍されている方々に論じて頂いた.

特集:大規模災害時代の農林業

読者の声 02

まえがき 藤巻晴行 03

言葉の玉手箱 藤巻晴行 04

気候変化・人口減少下での農村部における水災害 ──その特徴と持続的発展に及ぼす影響 渡部哲史 05

昨今の豪雪がリンゴ園地の技術・経営に与える影響と対策 ──秋田県の事例から 櫻井健二 11

水災害を和らげる農業への私たちの選択 佐藤 了 18

林業の多様化と森林の多面的機能の調整 三木敦朗 26

〈コラム〉りんごの産地での水害からの復興 菊地信行,菊池敏郎 32

大災害期における農業と農村の役割 ──自立分散型ネットワーク社会の構築にむけて 粟生田忠雄 34

 ため池・田んぼダム・土壌の通気浸透促進などによる洪水緩和 ──流域治水のその先へ 粟生田忠雄 39

都市と農村の高次再融合 ──気候変動と生命系の未来社会 伊藤恵子 41

【談話室】
中途半端を極める ─研究・広報・URA,科学へのいろいろな関わり方 中込咲綾 48

【科学余話】
20世紀資本主義の例外性についての確率的資源分配モデルによる理解 細木和輝 50

【ひろば】
生活保護引下げ違憲訴訟 熊本地裁判決の意義 髙木博史 55

【本】
中本悟,松村博行 編著
『米中経済摩擦の政治経済学─大国間の対立と国際秩序─』 増田正人 57

小森陽一・浜矩子 編著
『大借金男 百閒と漱石センセイ』 小倉久和 58

〈科学者つうしん〉 59

 〈科学者つうしん〉JSAバーチャル大学院設立の提案 中塚 武 62

〈編集後記〉(佐藤 了) 64

判型・頁数 B5判並製・64ページ
定価 本体800円(税込)
ISBN 978-4-7807-2071-6 C0336
出版年月日 2022年 10月1日

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