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季論21

2020年 秋 46号

『季論21』編集委員会 編

特集:〝圧縮空気〟にあらがう 官邸・メディア・市民社会・沖縄 変動する世界、明日への模索(米、中南米、欧州、香港)

何ともイヤな空気が国中を覆っている。みんな一色にされている。たとえば天皇代替わり礼賛、日韓関係は嫌韓・反日、東京オリ・パラあと○○日……。「表現の不自由展・その後」の「少女像」を自治体首長が国民感情に合わないと言い、官房長官が補助金支出を見直すと焚きつけると、「国民」が躍って抗議電話、「京アニ」のようにやると脅す者も。その後、政府(文化庁)は〝妨害〟への対策不十分と後出しで難癖をつけて不交付決定。他方、福島原発訴訟(東京地裁)の原告敗訴。国策第一、お上のやることに楯突くなと言わんばかり。司馬遼太郎はかつて、大日本帝国憲法を補完するものとして教育勅語を位置づけ、日本を覆う何とはない自由と人権の抑圧、押し詰められるような空気の醸成を「圧搾空気」と形容した。

参院議員選挙の結果と野党の将来/佐々木隆爾(日本近現代史)

【特集】〝圧搾空気〟にあらがう
官邸・メディア・市民社会―すべて「なかったこと」ですませてよいか/山田健太(言論法)
沖縄から問う日本版排外主義/新垣 毅(ジャーナリスト)
メディアと東京オリンピック、「表現の不自由展・その後」/田島泰彦(情報メディア法)

【変動する世界、明日への模索】
トランプ政権と分断進むアメリカ社会/油井大三郎(アメリカ現代史)
21世紀のラテンアメリカ・カリブ海における進歩と反動の弁証法/新藤通弘(ラテンアメリカ現代史)
政治的変動の予感 欧州議会選挙が示したもの/浅田信幸(ジャーナリスト)
香港での暴力デモは運動の破壊者、真の敵は香港財界/大西 広(中国経済)
オリンピックを考える/末延渥史(都政問題研究)
日本アニメーション業界の現状 「京アニ」事件を通してみる/萩原由加里(アニメーション史)

【一体化する米軍・自衛隊】
米軍・自衛隊の一体化と大増強の実態/千坂 純(日本平和委員会事務局長)
横田基地が大変貌・東京の空が危ない…岸本正人(東京平和委員会事務局長)

【参院選挙の結果を受けて】
野党+市民共闘が拓いてきた道、これからの道/山口二郎(「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」世話人)
「維新」が大阪にもたらしているもの/中野雅司(「大阪を知り、考える市民の会」世話人)

「主体的、対話的で深い学び」をどうとらえるか/田中昌弥(教育学)
「暗愚小傳」は「自省」となりうるのか 中村稔「高村光太郎の戦後」を手掛かりとして/内野光子(歌人・評論家)
【連載(3)】
ドイツ史学徒が歩んだ戦後/望田幸男(ドイツ近現代史) AIの社会科学的な研究の前進のために 大西広氏の書評に寄せて/友寄英隆(経済学)
【書評】
油井大三郎著『平和を我らに 越境するベトナム反戦の声』/安藤丈将(政治社会学) 田島泰彦著『表現の自由とメディアの現在史』/右崎正博(憲法学)
《私の読んだ本》
土井隆義著『「宿命」を生きる若者たち 格差と幸福をつなぐもの』/曽田陽子(元教員)
斎藤幸平著『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』/岩佐 茂(社会哲学)
【観測点】
「一国二制度」の香港の混乱/岡田則男(ジャーナリスト)
本当の勝負はこれからよ!/宮城義弘(ジャーナリスト)
【エッセイ】
「読むこと」と「書くこと」…中島京子(作家)
【グラビア】
風木の悲~谷中村…しまくら まさし(写真家)
グラビア解説
編集後記

判型・頁数 A5判・216頁
定価 本体909円+税
ISBN 978-4-7807-1860-7
出版年月日 2019年10月20日

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