石川啄木と労働者
「工場法」とストライキをめぐり
碓田のぼる
石川 啄木(1886~1912。享年26歳)。「私は本書の中で、啄木における労働者性といったことを明らかにしたいと思いました。そのために、〈工場法〉と〈ストライキ〉をそれぞれの部立てとして、啄木の労働者観とその到達点を明らかにしようと思いました」(「あとがき」より)。本書末尾に掲載された詩稿では、冒頭、啄木が死の三か月前に記した言葉「団結すれば勝つ」「多数は力なり」を引用し、「啄木が生きていたら、さらに前に進むために、何を発見し得ただろうか。〈敵〉とたたかう〈連帯〉の発見! かけがえもない、その発見は偉大であった」と結ぶ。
本書は、長く啄木に親しみ、取り組んできた歌人による力作評論である。
碓田 のぼる(うすだ のぼる)=1928年生まれ。歌人。新日本歌人協会代表幹事など歴任。国際啄木学会、日本民主主義文学会会員。歌集『花どき』で第10回多喜二・百合子賞受賞。歌集に『歴史』『信濃』『星の陣』など。評論集に『渡辺順三研究』『火を継ぐもの:回想の歌人たち』『団結すれば勝つ、と啄木はいう:石川啄木の生涯と思想』『啄木断章』『1930年代「教労運動」とその歌人たち』(正・続)など。
判型・頁数 | 四六判上製・184頁 |
定価 | 1870円(税込) |
ISBN | 978-4-7807-2240-6 |
出版年月日 | 2023年5月16日 |
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