ブラインドロードの旅
「幸せさがし」から「言葉さがし」・「歴史さがし」へ
高林 正夫
目がみえないって「不幸」なこと? では「幸せ」ってどういうこと? 「幸福な王子」「田園交響楽」そしてグリム童話、ギリシア悲劇……外国文学を渉猟し、示唆に富む物語世界を「見えない」から読み解く力作評論。
『ブラインドロードの旅』正誤表
・42頁12行目から13行目を下記の文章に差し替え
すなわち、見えない人たちが見えるようになり、見える人たちが見えないようになるためである」と語った。この盲人は目が見えるようになった。ところが、
・56頁13行目と14行目と60頁8行目:ビョートル → ピョートル
・60頁6行目 初め → 始め
・135頁10行目 再開後 → 再会後
・160頁7行目 これまでにも。 → これまでにも、
・163頁4行目 盲学校い → 盲学校へ
・163頁4行目 お母さんはー → お母さんは――
・163頁14行目 赤いステッキ → 〝赤いステッキ〟
・220頁6行目 〈世〉のフリガナ(てい)を削除
・267頁9行目から10行目
「先頭を行く者は……続いています。」を下記の文章に差し替え
先頭を行く者は倒れている者につまずいて、小川に落ちそうになっており、ほかの者たちはその後を数珠つなぎに続いています。
はじめに
1 みえるとか みえないとか いろいろな「幸せさがし」の旅
第1話 自らの意志で光を失った王子はほんとうに「幸せ」だったのでしょうか?
第2話 まったく見えなかった世界から光を獲得した少女ジェルトリュードはほんとうに「幸せ」だったのでしょうか?
第3話 吹き矢によって失明したジェロニモは「不幸せ」だったのでしょうか?
第4話 「盲人国」に迷い込んでしまったヌネスはいったい何を見たのでしょうか?
第5話 「おなじところを さがしながら ちがうところを おたがいに おもしろがる」って?
エピローグ
2 みえるもの みえないもの 言語表現にひそむ「殻」と「芯」
第1話 「物語世界」にひそむもの
第2話 「綱渡りする言葉」とユーモア
第3話 「あなただったら何をしましたか?」
第4話 美しく生きる たくましく生きる
第5話 「めくら、めくら」と呼ばれ続けて……
エピローグ
3 みわたすもの みすえるもの 時空を超えて、「ギリシア悲劇」から現代小説まで
第1話 二つの「大悲劇」から
第2話 二つの「不思議な戯曲」から
第3話 二つの「愛憎物語」から
第4話 二つの「夫婦物を扱った小説」から
第5話 二つの「ハラハラする、ドキドキする長編小説」から
エピローグ
高林 正夫(たかばやし まさお)=1948年静岡県生まれ。大阪府立盲学校(現大阪府立大阪南視覚支援学校)理療科専攻科卒業。佛教大学通信教育学部初等教育学科修了。大阪府立茨木養護学校(現大阪府立茨木支援学校)教諭を経て、大阪市立盲学校(現大阪府立大阪北視覚支援学校)勤務。2009年退職。日本民主主義文学会会員。
著書に『音でみる心も色も ― 紅葉から慎太郎まで、作家が描いた視覚障害者像』『異風の人 ― 時代・歴史小説に描かれた盲人像』
判型・頁数 | 四六判並製・272頁 |
定価 | 2000円(税込) |
ISBN | 978-4-7807-2224-6 |
出版年月日 | 2022年10月22日 |
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