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山本周五郎 人情ものがたり 武家篇

山本周五郎

人の温もり、生きる誇りを描く山本周五郎の名作短編をオリジナル編集。旧友の仕官を助ける「人情武士道」、馴染まぬ新妻の愛の成就をはかる「山椿」、肩寄せ合う人たちのためにかけ試合をする「雨あがる」、婢や使用人にも慕われた妻の日常をはじめて知る「松の花」、死去した夫人の願いをわが事として仕えた下女の「二十三年」、そして「四月のあやめ」「橋の下」「裏の木戸はあいている」「墨丸」。武家とその妻女たちの人情ものがたり9編を収録。解説として戸石泰一「メルヘン」を付載。

正誤表
P26 後ろから4行目 「士官のお勤めなど」⇒「士官のお勧めなど」
P111 3行目 「うんざく」⇒「つんざく」
P115 9行目 「そのとのき」⇒「そのとき」
P126 3行目 「じかに会ってかめなければ」⇒「じかに会って慥かめなければ」
P128 3行目 「いらっしやる」⇒「いらっしゃる」
P131 6行目 「禁じられで」⇒「禁じられて」
P138 後ろから5行目 「作れて」⇒「伴れて」
P173 後ろから5行目 「おれほ」⇒「おれは」
P178 後ろから3行目 「唇にほ」⇒「唇には」
P183 8行目 「との中で云った」⇒「と口の中で云った」
P190 後ろから2行目 「あるのでほないか」⇒「あるのではないか」
P194 9行目 「良を怒らせ」⇒「眼を怒らせ」
P197 5行目 「誇張でほない」⇒「誇張ではない」
P202 5行目 「話などきはしない」⇒「話など聞きはしない」
P204 後ろから10行目 「絶えずぶっぶつ」⇒「絶えずぶつぶつ」
P255 6行目 「原因なと」⇒「原因など」
P270 後ろから5行目 「こざいません」⇒「ございません」
P279 後ろから5行目 「返さながった」⇒「返さなかった」
P279 後ろから1行目 「用立てで」⇒「用立てて」
P280 9行目 「まつたく」⇒「まったく」
P280 後ろから2行目 「補給にほかなり」⇒「補給にはかなり」
P283 5行目 「作品とじて」⇒「作品として」
P285 後ろから8行目 「出でくる」⇒「出てくる」

人情武士道
山椿
雨あがる
四月のあやめ
橋の下
裏の木戸はあいている
松の花
墨丸
二十三年
[解説]メルヘン(戸石泰一)

山本 周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

戸石 泰一(といし たいいち)=1919年宮城県生まれ。1978年没。作家。東京大学在学中から太宰治に師事。出版社に勤め『太宰治全集』を編集。著書に『火と雪の森』『青い波がくずれる』など。

判型・頁数 B6判変形(並製)・288頁
定価 1200円(税込)
ISBN 978-4-7807-1846-1
出版年月日 2022年4月21日

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