本当に、マルクスは書いたのか、エンゲルスは見落としたのか
不破哲三氏の論考「再生産論と恐慌」の批判的検討
川上 則道
社会資本の「再生産」と資本主義の最大欠陥である「恐慌」は、資本主義を理解しその打開のための方策を探る根幹の命題といっていい。それがもし揺らぐなら…… 著者は『資本論』をはじめ原典を精緻にたどり分析することを通じて、不破哲三氏の理解を批判する。問題の所在を明らかにすることは社会変革の道筋にも関わっており、ひろく真摯な議論を求める一書。
はじめに 不破氏の所論のうち違和を感じるものをなぜ取り上げるのか
第1章 既刊の拙著での氏への批判の要点と感じた危惧
第2章 論文「再生産論と恐慌」の批判的検討と探究
第3章 論文「再生産論と恐慌」に見受けられる論理的認識上の問題点
第4章 社会的総資本の循環と商品資本の循環範式
―論文「再生産論と恐慌」の検討の根拠となる私の見解についての補足説明―
おわりに
川上 則道(かわかみ のりみち)=1943年生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業。現在、都留文科大学名誉教授。 著者に『高齢化社会は本当に危機か』『計量分析・現代日本の再生産構造』『「資本論」の教室―― きっちりわかる経済学の基礎』『「資本論」で読み解く現代経済のテーマ』『マルクスに立ちケインズを知る』『マルクスに立ちミクロ経済を知る』『市場原理と社会主義への展望』『マルクス「再生産表式論」の魅力と可能性 ―『資本論』第二部第三篇を読み解く―』『「空想から科学へ」と資本主義の基本矛盾』など。
判型・頁数 | A5判並製・256頁 |
定価 | 2500円(税込) |
ISBN | 978-4-7807-1839-3 |
出版年月日 | 2022年3月12日 |
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