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明治維新と噺家たち

江戸から東京への変転の中で

柏木 新

幕末から明治にいたる激動の時代、都々一坊扇歌の風刺にはじまって、三遊亭圓朝・柳亭燕枝ら噺家たちはその真価を発揮し、つぎつぎに新作を世に送り出す。初の女性落語家・若柳燕嬢も登場し、新しい落語世界が生まれていった。このとき、自由民権運動との関わりや、漱石・子規ら文人との交流など、さまざまなエピソードにうかがえる噺家たちの矜持、見識を見逃してはならない。著者いわく「明治時代の歴史を紐どくと昭和の時代が見えてくる」「落語の変化・発展は、その時代の社会・政治と無関係ではない」。近代落語の変遷を知ることで、落語の世界がいよいよ味わい深くなると実感させる好著。
巻末に当時フランス領事館の一等書記官だったジュール・アダンが著した『日本の噺家』を訳載(全文訳は本邦初)。

はじめに
第1章 幕末の激動のなかで
第2章 圓朝と燕枝 ―― 江戸落語の大成と近代化
第3章 近代化のなかでの翻案物の登場
第4章 明治時代の取締りと実録物の誕生
第5章 自由民権運動と講談・落語
第6章 寄席の聴衆層の変化と滑稽噺の発展
第7章 「改良落語」の動きを見る
第8章 女性の落語家第一号 ―― 若柳燕嬢
第9章 フランス人が書いた噺家・寄席の案内書
第10章 子規・漱石など明治の文人と落語
第11章 日清・日露戦争と落語・講談などの世界
あとがき
[資料] ジュール・アダン:著『日本の噺家』(フランス語版) 柏木新:訳
[参考・引用文献]

柏木 新(かしわぎ しん)=1948年生まれ、話芸史研究家・演芸評論家。歴史学研究会会員。著書に『はなし家たちの戦争』『落語の歴史』『落語こぼれ話』『国策落語はこうして作られ消えた』など。柳家さん八「実録噺「東京大空襲夜話」」ではインタビューと解説を執筆。

判型・頁数 四六判並製・248頁
定価 2000円(税込)
ISBN 978-4-7807-1836-2
出版年月日 2022年2月23日

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