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画文集 孫の所望 新装版

文/白武 留康  画/中村ちひろ

「いま地球上に生きる人類は、あまりにも大きな出来事と感動に慣れ過ぎている」「大きな感動よりも小さな感動こそが見直されるべきだと私は小さな決意をした」。著者は新装版として再刊するにあたり、「あとがき」にこう記した。初版刊行は2001年(葦書房)、毎日新聞佐賀版「はがき随筆」に掲載された90篇(白武留康)と挿画(中村ちひろ)で構成されている。日常の一瞬をとらえて立ちどまる愉しさを軽妙な筆致で活写、興趣高める挿画とあいまって、ほのぼのとした温かさが伝わるエッセイ集。「抱きしめたくなるような懐かしさとともに、私たちが失いつつあるものの大きさをも考えさせられる一冊です」(作家・能島龍三「新装版に寄せて」より)。

巻頭随筆八題
 透けた筆入れ/表札の上の巣/ピッチャーとキャッチャー/抽象画の夢/青田の風/孫の所望/干し柿一つ/つまようじ はしがき
1993年
 明太子/太い指/鳥が来る庭/かえで/空豆/蛇/サンショウウオ/立山登山/堀/お土産/開戦の日
1994年
 七草のころ/法要/レンゲ/祖父の顔立ち/ハトの巣/ハトの巣その後/私のストーンヘンジ/眠ったトンボ/廃家/柱のきず/ワラスボ
1995年
 煙のにおい/たき火/老松の街/落ちこぼしの花/緑のじゅうたん/娘の借間/八月の姥おどし/曲がった道/参道の栗/連絡船
1996年
 アルルのはね橋/モナリザの笑み/雪の落ち着き/青ビッキ/猫の権利/朝のセミ/雄花だって/黄金のユキヤナギ/窓の外にて/幻の稲小積み
1997年
 ラジオで便り/自然の驚異/春の不覚/道にタケノコ/幟/本卦還/みなぐち/早朝のセミ/ザクロの少女/墓の娑婆/菅原道真/四十雀
1998年
 過疎の幸せ/蠢動/百貨店/落ちた電算機/竹の秋/電線の子ツバメ/スイカとカラス/青ガエルの突っ張り/網戸のヤモリ/ショウの強か/洗い立てのドングリ
1999年
 思い込み/ナメクジ/みそ漬けの味/無花果再生/間/「すみれ」の語源/ヘビとイチジク/ギンナンよ…
2000年
 車中の手品師/カンコロ/遺影の涙/佃煮の途中/ザクロの花/大輪はたがために/いたち立つ/ケイタイの少女/島の墓地
巻頭カラー頁の随筆評再録
新装版に寄せて 能島龍三
初版あとがき
あとがき

白武 留康(しらたけ とめやす)=1937年佐賀県白石町生まれ。佐賀大学教育学部卒業後、白石中、福富中、県立盲学校に勤務(国語、美術担当)。1990年教職を退き、主夫のかたわら教育相談員。県文学賞随筆部門、県美術展でたびたび入賞。著書に随筆集『ひと夏の夢』童話集『赤い月』など。本書で画を担当した中村ちひろ氏は中学時代の教え子。
中村 ちひろ(なかむら ちひろ)=グラフィック・デザイナー、書家。トータルデザイン・制作活動をおこなうほか、プロダクトデザイン、レシピ開発、フードディネーターなど多岐にわたって活動。また書家として、国内外で個展を開催し、店舗・商品ロゴの作成なども手がける。

判型・頁数 四六判並製・120頁
定価 1200円(税込)
ISBN 978-4-7807-1996-3
出版年月日 2021年4月15日

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