東アジア非核化構想
アジアでの市民連帯を考える
和田 春樹・李 俊揆・林泉 忠・前泊 博盛・メリ ジョイス・梶原 渉
原水爆禁止世界大会・科学者集会in東京」は、2018年7月29日に明治大学グローバルホールにて開催されました。本書はその内容をまとめたものです。本集会は、広島・長崎で開催される原水爆禁止世界大会の一環として、研究者・科学者が広く核・平和の問題について考えようという趣旨で開かれてきました。2018年で32年目、前身の原水爆禁止科学者会議から数えると、51年目の開催となります。(「はじめに」より)
第1部 基調報告
朝鮮半島の非核化と日本海・日本列島・沖縄の非核化
第2部 各地域・分野からの報告
朝鮮半島平和プロセスの展開と東アジア冷戦の解体
台湾を取り巻く中米日角逐の新しい展開 ─「2025無核化」政策と運動と兼ねて
朝鮮半島情勢と日米安保 ─在日、在沖米軍基地問題を中心に
東北アジア市民社会ネットワークの取り組みと挑戦
核兵器のない世界と東アジア非核化構想─反核平和運動の課題
第3部 討論
和田 春樹(わだ はるき)=1938年生まれ。東京大学名誉教授。専攻はロシア近現代史、現代朝鮮研究。著書に『ロシア革命──ペトログラード1017年2月』(作品社、2018年)、『米朝戦争をふせぐ──平和国家日本の責任』(青灯社、2017年)、『北朝鮮現代史』(岩波書店、2012年)など多数。
李 俊揆(い じゅんきゅ)=1973年生まれ。高麗大学・同大学院政治外交学科卒業(政治学修士)。北韓大学院大学(ソウル所在)博士課程修了(北朝鮮政治・朝鮮半島南北関係)。平和ネットワーク政策室長・運営委員、明治学院大学研究員、民主労働党・進歩新党政策委員、大統領直属民主平和統一諮問会議委員などを経て、現在キョレハナ平和研究センター研究委員。共著に『東北アジア非核地帯』(サルリム、2005年)、『核兵器はなくせるか』(かもがわ出版、2009年)など。韓国のインターネットメディアや週刊誌に、朝鮮半島と東アジア国際政治に関する多数の記事を寄稿。
林 泉忠(りむ ちゅあんてぃおん)=東京大学大学院政治学研究科博士後期課程修了。東京大学博士(法学)。琉球大学法文学部准教授などを経て、現在、台湾中央研究院近代史研究所副研究員。専攻は国際政治学。著書に『「辺境東アジア」のアイデンティティ・ポリティクス――沖縄・台湾・香港』(明石書店、2005年)、『21世紀視野下的琉球研究』(台北:海峡出版、2017年)、『誰是中國人?――透視台灣人與香港人的身份認同』(台北:時報出版、2017年)など。
前泊 博盛(まえどまり ひろもり)=1960年生まれ。駒澤大学法学部卒、明治大学大学院修了(経済学修士)。現在、沖縄国際大学教授。84年琉球新報社入社。文化部、社会部、東京報道部、政経部などの記者を経て98年から編集委員。この間、沖縄国際大学非常勤講師(98〜2001年兼務)。01年、九州大学大学院助教授(国際政治学)、編集委員兼論説委員、経営企画局次長、論説副委員長、紙面審査委員長、論説委員長を経て11年4月から現職。著書に『子供たちの赤信号――学校保健室はいま』(沖縄出版、1986年)、『もっと知りたい! 本当の沖縄』(岩波書店、2008年)、『沖縄と米軍基地』(角川書店、2011年)、共著に『検証「沖縄問題」』(東洋経済新報社、2002年)、『検証地位協定――日米不平等の源流』(高文研、2004年)など多数。
メリ・ジョイス(めり じょいす)=1981年オーストラリア生まれ。メルボルン大学・京都大学卒業。2005年より、NGOピースボートの国際コーディネーターとして、軍縮、平和構築など、様々なプロジェクトに携わる。「武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ」(GPPAC)東北アジア地域事務局担当として、市民レベルでの対話や信頼醸成のための活動に取り組む。共訳書に大量破壊兵器委員会(西原正監訳)『大量破壊兵器――廃絶のための60の提言』(岩波書店、2007年)、共著にReflections on Peace and Security in Northeast Asia: Perspectives from the Ulaanbaatar Process(Uragsh-Orgil, 2017)など。
梶原 渉(かじはら わたる)=1986年生まれ。東京大学法学部卒業。現在、原水爆禁止日本協議会事務局。専攻は平和学。共編著に『18歳からわかる平和と安全保障のえらび方』(大月書店、2016年)、共著に『日米安保と戦争法に代わる選択肢』(大月書店、2016年)など。
編者:原水爆禁止2018年世界大会・科学者集会実行委員会=人文・社会・自然科学各分野の専門家およびNGO団体職員13名からなる実行委員会。2018年3月立ち上げ。「東アジア非核化構想――アジアでの市民連帯を考える」をテーマとして、2018年7月29日に東京都内で学術集会を開催した。
判型・頁数 | A5判・96頁 |
定価 | 本体1000円+税 |
ISBN | 978-4-7807-1914-7 |
出版年月日 | 2018年11月15日 |
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