過去の戦争とスポーツ その痛恨の歴史
シリーズ3 スポーツ団体への統制と報国団化
廣畑 成志
さきの2つのシリーズで、スポーツに親しむ土台である国民の体力、余暇時間、用具・器具などが国家管理のもとに置かれ、戦争体制に総動員された史実を追跡しました。今回のシリーズ3ではまず〔追跡5〕で、こうした土台を奪われていったスポーツの推進団体がどのように戦争体制に組み込まれていき、スポーツ活動が抑制・統制され、ついには戦争遂行の報国団への改組を余儀なくされていったという、その過程を追跡しました。
追跡5 競技団体ににじむ戦争の遺恨
その1. スポーツの一番長い日――1980年5月24日
■果敢に反対の意思を示す ■政府の圧力・介入に屈せず ■世界の競技者は団結しよう
その2. スポーツ団体の戦中始末記
■活動の停止・中断に追い込まれ ■配給切符による用品不足 ■花形の陸上競技と水泳が解散
その3. スポーツ体系を破壊した邦語化
■闘球、打球、鎧球、重技、雪滑…? ■競技体系を切り崩す暴挙 ■野球はすべて日本語でやれ
◆追跡6 大日本体育協会の報国団化
その1. スポーツの国際化を主導する
■出発はオリンピック参加 ■競技精神の涵養を掲げ ■競技団体の統括組織に
その2. 報国団・大日本体育会への改組
■国民精神の作興を掲げ ■民間団体から翼賛団体へ ■もっぱら戦技訓練を実施 ■113件にのぼる献納優勝杯 ■戦後の改組、日本体育協会へ
廣畑 成志(ひろはた せいじ)=1944年福岡県生まれ。東京教育大学体育学部卒業(体育社会学専攻)。日本体育大学大学院修士課程修了(体育学・オリンピック研究)。新日本体育連盟全国役員、一橋大学・中央大学等講師、日本共産党スポーツ委員会専任を経て、現在、「安保法制廃止をめざすスポーツと体育の会」事務局長。著書に『スポーツってなんだ』(青木書店)、『終戦のラストゲーム─戦時下のプロ野球を追って』(本の泉社)、『コンセプトはアスリート・ファースト』(本の泉社)など。
判型・頁数 | A5判ブックレット・64頁 |
定価 | 本体550円+税 |
ISBN | 978-4-7807-1297-1 |
出版年月日 | 2017年7月15日 |
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