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汲めど尽きせぬ古典の魅力 

中国文学逍遥2

井波律子(井波陵一=編)

中国文学者・井波律子が遺した論稿・エッセイで編んだ「中国文学逍遥」の第2冊目。本書は専門分野である中国文学や文化全般に関する専論やコラムで構成する。「神話・伝説」から漢詩の世界、そして『三国志演義』『水滸伝』など白話小説の展開をたどり、近代の到来を告げる西洋文学の翻訳事情まで視野を広げていく。中国文学の多彩な魅力が浮き彫りになる力作揃いである。
さらに別章として、著者が深い関心を寄せていた幸田露伴に関する文章を集成した。幸田露伴が中国文学に通暁した「知の巨人」というべき存在であることがよく了解されるだろう。
探求精神に溢れ、「腕のいいライター」をめざした著者の面目躍如たる文章の数々であり、これほどレベルの高い文章が生前刊行の単行本に未収録のまま遺されていたことには、あらためて驚かされる。
[既刊]
中国文学逍遥1『時を乗せて 折々の記』(9月24日刊行)
[続刊予定]
中国文学逍遥3『楽しく漢詩文を学ぼう』(11月下旬刊行)

 

刊行にあたって
編者解題
Ⅰ 神話 ユートピア 異界
Ⅱ 漢詩の世界 表現のダイナミズム
Ⅲ 中国の人と文化 点描
Ⅳ 白話小説の物語世界
Ⅴ 近代中国の文学観――翻訳を手がかりに
別章 幸田露伴と中国文学
より深く知りたい読者のために――関連書紹介(井波陵一)


井波 律子(いなみ りつこ)=1944~2020年。富山県高岡市に生まれ、京都で育つ。1972年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。金沢大学教授をへて、国際日本文化研究センター教授(のち名誉教授)。専門は中国文学。著書に『中国人の機智』『中国的レトリックの伝統』『中国のグロテスク・リアリズム』『読切り三国志』『三国志演義』『酒池肉林』『破壊の女神』『奇人と異才の中国史』『トリックスター群像』『論語入門』『中国人物伝(全4巻)』など多数。『世説新語』『三国志演義』『水滸伝』『論語』の個人全訳でも知られる。またエッセイの名手であり、『中国文学の愉しき世界』『一陽来復』などがある。

井波 陵一(いなみ りょういち)=1953年福岡県生まれ。1978年京都大学大学院文学研究科修士課程修了。1981年井波律子と結婚。京都大学人文科学研究所教授をへて、京都大学名誉教授。専門は中国文学。著書に『知の座標』『紅楼夢と王国維』ほか。訳書に『宋元戯曲考』『新訳 紅楼夢 (全7冊)』(読売文学賞受賞)がある。

 

判型・頁数 四六判上製・270頁
定価 2530円(税込)
ISBN 978-4-7807-2250-5
出版年月日 2023年10月23日

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