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時を乗せて 折々の記 

中国文学逍遥1

井波律子(井波陵一=編)

中国文学者・井波律子の業績は多岐にわたる。公刊された数多くの著訳書を瞥見するだけでも、『三国志演義』『水滸伝』など白話小説はもとより、古代中国の神話・伝説から近代の魯迅・毛沢東にまで及ぶ広い視野を背景に、中国文学を縦横に論じていることがよくうかがえよう。この希代の中国文学者はさらに、生前刊行された単行本に収録されていない膨大かつ魅力に満ちた論稿・エッセイを遺した。今回、その精華を「中国文学逍遥」全3冊に編集する(編者=井波陵一)。その第1冊が本書である。
本書は新聞の連載コラムを中核とし、身辺雑記を含む折々のエッセイで構成する。1970年代から2010年代まで、闊達な語りを通じて「人」と「時代」が生き生きと浮かび上がる特色ある一冊となった。「みずからの原点を大切にしつつ、興味の幅を着実に広げながら、もともと到達目標であった〈腕のいいライター〉として円熟味を増していく姿を実感していただきたい」(井波陵一「編者解題」)。
[続刊予定]
中国文学逍遥2『汲めど尽きせぬ古典の魅力』(10月下旬刊行)
中国文学逍遥3『楽しく漢詩文を学ぼう』(11月下旬刊行)

 

刊行にあたって
編者解題
Ⅰ 金沢にて 1976~1995
[わが原風景] [折々の発信から] [金沢を想う]
Ⅱ 京都を活動拠点に 1995~2009
[懐かしの京都へ] [日文研に勤めながら]
Ⅲ 花木と親しむ日々 2009~
[定年を迎える] [「空中庭園」に励まされて]
[付] 我が家の家計簿体験談(井波テル)


井波 律子(いなみ りつこ)=1944~2020年。富山県高岡市に生まれ、京都で育つ。1972年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。金沢大学教授をへて、国際日本文化研究センター教授(のち名誉教授)。専門は中国文学。著書に『中国人の機智』『中国的レトリックの伝統』『中国のグロテスク・リアリズム』『読切り三国志』『三国志演義』『酒池肉林』『破壊の女神』『奇人と異才の中国史』『トリックスター群像』『論語入門』『中国人物伝(全4巻)』など多数。『世説新語』『三国志演義』『水滸伝』『論語』の個人全訳でも知られる。またエッセイの名手であり、『中国文学の愉しき世界』『一陽来復』などがある。

井波 陵一(いなみ りょういち)=1953年福岡県生まれ。1978年京都大学大学院文学研究科修士課程修了。1981年井波律子と結婚。京都大学人文科学研究所教授をへて、京都大学名誉教授。専門は中国文学。著書に『知の座標』『紅楼夢と王国維』ほか。訳書に『宋元戯曲考』『新訳 紅楼夢 (全7冊)』(読売文学賞受賞)がある。

 

判型・頁数 四六判上製・288頁
定価 2530円(税込)
ISBN 978-4-7807-2248-2
出版年月日 2023年9月24日

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