天鵞絨・他
石川啄木小説選
石川 啄木
『天鵞絨・他』の底本は『石川啄木全集 第三巻 小説』(筑摩書房 1978年刊)。東京へ出奔する村の娘たちの胸中をとらえた「天鵞絨」(ビロード)、日露戦争後の地方青年の交流と苦悩をえがいた啄木唯一の新聞連載「鳥影」(ちょうえい)、明治の青年たちの若い思想と議論を噴出した「我等の一團と彼」(われらのいちだんとかれ)の3編を収載した。巻末に作家・右遠俊郎の懇切な解説を掲載。なお、「天鵞絨」と「鳥影」は本書に初めて単行本として収録している。
「天鵞絨」(ビロード)=本編は、生前未発表の作品であるが、1908(明治41)年5月~6月ごろの執筆と思われる。
「鳥影」(ちょうえい)=「東京毎日新聞」に1908(明治41)年11月1日~同年12月30日まで掲載された。
「我等の一團と彼」(われらのいちだんとかれ)=本編も生前未発表の作品である。執筆時期は、1910(明治43)年5月~6月ごろと思われる。
・啄木の小説について……右遠 俊郎=新日本歌人協会主催の「啄木祭」における講演(1987年4月12日)に補筆したものである。
石川 啄木(いしかわ たくぼく)=1886年(明治19年)2月20日〜1912年(明治45年)4月13日。日本の歌人、詩人。岩手県玉山村生まれ。中学を自主退学後、上京。与謝野鉄幹・晶子夫妻を訪ねる。病気で帰郷後に詩集『あこがれ』刊行)1905年)。故郷での代用教員、北海道での新聞記者生活のなどを経て、1910年『一握の砂』出版。
判型・頁数 | B6判変型・328頁 |
定価 | 本体1600円+税 |
ISBN | 978-4-7807-1971-0 |
出版年月日 | 2020年7月9日 |
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