天空の甕
田中 山五郎
村人は貧食から抜け出そうとしていろいろ試みた。標高1000メートルの山頂に、周囲4キロメートルのくぼ地がある。毎年、豪雪を溜めこむが、春から夏へ、太陽に暖められて雪解け水となり、谷に流れ込む。「野々海」と村人は呼んだが、いうならば自然の水ガメである。この水を田に引き込むことはできないか。(「天空の甕」より抜粋)
他、2話(開墾地の春/婿養子)を収録。
天空の甕
開墾地の春
婿養子
田中 山五郎(たなか さんごろう)=1931年2月東京生まれ。1949年都立農芸高校卒。現在、農園経営。日本民主主義文学会会員。主著:『徳丸ヶ原異聞』、『千代、今ひとたびの』、『五・一広場』、『大獄と闇の夜』
判型・頁数 | 四六判・152頁 |
定価 | 本体1400円+税 |
ISBN | 978-4-7807-1949-9 |
出版年月日 | 2019年11月22日 |
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