啄木断章
碓田 のぼる 著
明けむ目の勝算胸にさだまりて、
悠々馬首をめぐらすや、
莞爾たる老将軍の帽の上に
悲雁一連月に啼く
ー老将軍はいまや無名の典型となって、馬首をめぐらし、ナショナリズムを越境してグローバルな世界(のちの社会主義的思想)へ旅立とうとするー
啄木詩「老将軍」考 ─越境するナショナリズム─
はじめに
一、啄木詩「老将軍」発見の経過
二、啄木詩「老将軍」と「マカロフ提督追悼の詩」
三、仮説の探求
四、「曹洞宗制」と啄木伝記とのかかわり
五、啄木詩「老将軍」の一視点 ─越境する啄木のナショナリズム─
エピローグ
生活の風景と言葉
はじめに
一、風景認識の前進
二、生活の発見と深化
三、啄木的世界の発展
書 評
中村稔 著『石川啄木論』
上田哲 著『啄木文学・編年資料 受容と継承の軌跡』
〈対談〉生誕百二十年 石川啄木と現代/碓田のぼる・三枝昻之
碓田 のぼる(うすだのぼる)=1928年生まれ。歌集『花どき』で第十回多喜二・百合子賞。「しんぶん赤旗」短歌欄の選を担当。新日本歌人協会前代表幹事。著書に『石川啄木と「大逆事件」』『石川啄木と石上露子』など。
判型・頁数 | 四六判・144頁 |
定価 | 本体1300円+税 |
ISBN | 978-4-7807-1943-7 |
出版年月日 | 2019年10月7日 |
▼ご購入はコチラ