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失敗してもいいんだよ

子ども文化と少年司法

竹原 幸太 〈寄稿〉増山均

本書では最近の少年事件や非行統計を分析しながら、少年法が誕生した経緯を確認し、少年司法の専門機関では、どのような視点に立って子どもの「悪さ」と向き合っているのかを紹介しました。その後、非行問題にかかわる当事者のピアサポート活動や被害者と加害者との対話を目指す修復的司法・実践などの新しい取組みを紹介しながら、二〇〇〇年以降の少年法「改正」の問題点を論じました。(まえがきより)

一章 少年事件に見る思春期の発達困難
一、「残虐さ」の裏にある育ちの「未熟さ」
二、「自分づくり」のもがきと歪み
三、少年非行の増加・凶悪化は本当か?──統計データに見る「非行の実態」

二章 子どもの育ちを支える少年司法の仕組みと専門職の仕事
一、少年法今昔物語──少年法の歩み
二、子どもの「悪さ」をどのように見るか?──非行・いじめ問題対応に追われる学校
三、家裁調査官に学ぶ非行克服の視点
四、少年院・児童自立支援施設の「育て直し」──「矯正教育」と「共生教育」
五、地域社会での経過観察を担う保護観察所

三章 当事者による非行克服過程の発信とその課題
一、「非行」と向き合う親たちの会と「新しいコミュニテイ」
二、少年院出院者によるピアサポート活動──セカンドチャンスが社会へ投げかけるもの
三、元少年A著『絶歌』をどう見るか?──当事者の少年事件の公開をめぐって

四章 少年司法の行方と展望
一、国連子どもの権利条約と少年法「改正」問題
二、国際的に注目される修復的司法──被害者と加害者との対話
三、学校の「修復的実践」を通じて修復的司法を理解する

終章  「悪さ」・「つまずき」・「失敗」を「育ちの栄養素」に変える 「子ども文化」と「甦育」の視点
一、多様な視点から解明される子どもの「悪さ」
二、「悪さ」対策の「健全育成」ではなく「野性味あふれる子ども文化」の復権へ
三、「つまずき」や「失敗」を「育ちの栄養素」に変える営みとなる「甦育」
《寄稿》失敗する権利・やり直す権利・立ち直る権利──「子どもと司法」と〝健全育成〟/増山 均

竹原 幸太(たけはら こうた)=1980年生まれ。宮城県仙台市出身。現在、東北公益文科大学教授。博士(文学)。日本子どもを守る会『子ども白書』編集委員(司法)。教育学の観点から青少年問題・子ども文化を研究。著書に『菊池俊諦の児童保護・児童福祉思想に関する研究』(早稲田大学出版部、2015年)、共著『ケアと人権』(成文堂、2013年)、共訳『ソーシャルワークと修復的正義』(明石書店、2012年)。

判型・頁数 A5判・160頁
定価 本体1200円+税
ISBN 978-4-7807-1625-2
出版年月日 2017年5月5日

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