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環境と動物の倫理

田上 孝一

本書は約10年前に出版した『実践の環境倫理学』(田上 2006)に続き、環境倫理学に関する旧稿に書き下ろしを加えて一書としたものである。『実践の環境倫理学』では環境倫理学を代表する原理的な諸問題の他に、幾つかの具体的な事例を取上げた。必ずしも原理的な議論だけでも具体的な事例分析だけというわけでもなかったのだが、出版後に反響があったのは圧倒的にベジタリアニズムを論じた章であり、そこで展開された肉食批判に対してであった。
本書は旧著で最も議論を呼んだ一章を、丸々一冊に拡大したものといえる。つまり、本書の主題は環境倫理学における動物の問題であり、動物への考察から不可避的に出てこざるを得ない規範的提言である、ベジタリアニズムについてである。いわば本書は、動物問題からする環境倫理学への、一つの理論的アプローチといえよう。(「序文」より抜粋)

まえがき/宇都宮健児
第1章 どうする? 豊洲・築地/大山とも子
第2章 豊洲新市場の土壌汚染は除去されたのか?/畑 明郎
第3章 野外科学者の目で見た豊洲問題 ―予防原則尊重の立場から/坂巻幸雄
第4章 豊洲新市場の土壌汚染調査と対策の問題点/水谷 和子
第5章 豊洲新市場用地取得問題と公金返還請求訴訟/斎藤悠貴
第6章 豊洲新市場の開場を中止し、築地市場の存続・再整備を/三国英実
あとがき/畑 明郎

田上 孝一(たがみ こういち)=1967年東京生まれ。法政大学文学部哲学科卒業。立正大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了。博士(文学)(立正大学)。社会主義理論学会事務局長・立正大学人文科学研究所研究員。専攻は哲学、倫理学。著書に、『初期マルクスの疎外論――疎外論超克説批判――』(時潮社・2000年)、『実践の環境倫理学――肉食・タバコ・クルマ社会へのオルタナティヴ――』(時潮社、2006年)、『マルクス疎外論の視座』(本の泉社・2015年)、『権利の哲学入門』(編著・社会評論社・2017年)、『政府の政治理論――思想と実践』(共編著・晃洋書房・2017年)など。

判型・頁数 A5判・152頁
定価 本体1200円+税
ISBN 978-4-7807-1607-8
出版年月日 2017年3月

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